東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

いただいて、おかえしする3

自然環境の元々もっている循環能力と、人間の生活との接点について考えるいい機会として、最近地元で企画されていたグリーンインフラ(グリーンインフラストラクチャ―)なるものの講習会に参加して来ました。

 

これも、最近かかわりを持つようになった小学校の畑活動の延長で知ったことだ。

私が参加したのは地元杉並区の講習で、区としても今後この取り組みに力を入れていけないかという姿勢、熱意を感じる内容で非常に興味深かった。

 

グリーンインフラの捉え方は奥が深い。

こういった名称で捉えるようになったのは、まだまだ最近のことだと思うけれど、その内容が包含していることは、結局、人間が創造してきた営みのカタチを自然環境をもう一度深く観察して、その循環系に寄り添った方法を模索して、また新しい都市化のヴィジョンを再創造することに文明の叡智を応用できないか、というようなものだと感じた。

 

その一例として「流域治水」への取り組みが挙げられていた。

私自身も神田川の近くで生まれ育ったので、川の氾濫、洪水については昔から身近なトピックだった。最近も秋田・山形の方では大雨による大変な被害に悩まされている地域があり心配だが、都市化した生活環境に降り注ぐ雨がどのようなルートを辿っていくかということを考えるのは非常に新鮮だった。

 

神田川は私が幼い頃はよく氾濫していて、強めの雨が降ったら地域の人と土嚢を運ぶのが常だった。記憶に残っていないけれど、昔は洪水で1階が冠水して2階の窓から救助隊のボートで非難したこともあったという。

 

それが平成に入っていつからか、洪水で土嚢を運ぶということがめっきりなくなった。

それは大雨の時に地下に水を流すトンネル(神田川・環状七号線地下調節池)が昭和から平成に移り変わる頃から掘られ始め、それが完成し、運用されるようになったことが、大きな一因だと思う。

 

昔はマンホールから水が逆流している風景に遭遇することもしばしばだったが、そういう光景もほとんど目に入らなくなったように感じる。

 

下水に流入する雨水を、川に流さずに一旦地下の貯水施設にプールする。

そういう取り組みは今までもすすめられてきたことではあるが、今回知ったグリーンインフラという捉え方はまた別の切り口から雨水を見つめるものだった。

 

(つづく)