ゆっくりと動きを表現する。
動きがゆっくりと表現される。
生活のなかの何気ない動作から、
「ゆっくり」という言葉をきっかけとして動きの質に変化が起こると、
「間(ま)」がうまれ始めます。
以前、本東京操体フォーラムで操体法クロニクルズと題して、歴史を紐解き振り返る機会がありました。その際にも、操体法の歴史は、「間」の歴史でもあったのではないかという気づきがありました。
臨床のなかで、からだを介して様々な間が生まれるように、
被験者や被験者のからだ、そして自分自身との向き合い方はアップデートされてきました。
臨床の目的が変わり、立ち方は変わり、アプローチも変わり、言葉もかわる。
その変化に伴って、表現される動きも変容し、間にもおのずと質的な変化が起こってきました。
特に「感覚」を重視するというテーマを臨床に生かす工夫を重ねる過程で、
「間」の捉え方も変化し続けてきたのだと感じます。
操法のなかで生まれる「間」は、感覚を介したききわけの学びとともに、
更新され続けてきたのです。