動物の生活をこのようにながめると、そこには、生活の主流となる栄養―生殖のいとなみと、これを助ける感覚―運動のいとなみと、たがいに性格の異なる二種のいとなみが識別されることとなる。
動物のいとなみを、このように二つに分けて考えることは、後で述べるようにはなはだ歴史が古く、ギリシアの昔からこの二つのいとなみを、それぞれ”植物的”および”動物的”と形容していたのである。そして、動物のからだをそれぞれにたずさわる植物性器官と、動物性器官の二種の器官群に大別して考えてきたのである。
したがってそれによれば、われわれ人間のからだも、やはりこの二つの器官、すなわち植物的なものと、動物的なものとに分けることができるのであって、いってみればこのからだには、たがいに性格の異なった二種の生物が、いわば”共生”していることになる。
「ヒトのからだ」(19~20p)
