“植物のもつうまれながらの合成能力が、動物にはまったくない”
豊かにふりそそぐ太陽のもとで、地上のどこにでもある材料、つまり簡単な無機物・水・二酸化炭素をもとにして、自分の力で生命の源をつくり上げていく植物たちのすがたが見られる。
このような植物たちの生活は、まさしく地球の条件に、もっともすなおに応じたもので、かれらの生き方が、いかに自然なものであるかをうかがい知ることができよう。
これにくらべて、われわれ人間もふくむ動物たちの生活はどうであろうか。
すなわち”餌”に向かって進むための”感覚―運動”という生活が、動物たちにとって、新たなひとつの課題となってくるのである。
「ヒトのからだ」(16~17p)
