東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

瀧澤 一寛(たきさわ かずひろ)

ここから これから④

前回のブログの中で、職場まで歩くようになった話を書いた。さしたる目的があったわけではないけれど、外に出たくなるような陽気に後押しされて、職場までの道のりをいろいろ感じながら愉しんでいた。あれからしばらく続いていたけれど、朝の生活リズムが変…

ここから これから③

朝一番に各部屋のカーテンと窓を開けてまわる。そこに停滞していた空気が流れ出す瞬間を肌で感じる。風通しがいいっていうのはきもちがいい。不安を感じていた3月、4月は、からだの中は何かが詰まったように、固まったように、重くなったように感じることが…

ここから これから②

そのとき強烈に感じたことでも、日が経つにつれて、頭の中の記憶は否が応でもどんどん薄れていってしまう。1週間前の記憶だってもうすでに怪しい。あのときどんなことを感じていたんだっけ?こんなときだからこそ、そんな生の感触をとっておきたくて、最近は…

ここから これから①

香さん一週間の投稿ありがとうございます。今週は瀧澤が引き継ぎます。テーマは引き続き「この時代の暮らし方・私の免疫力アップ法」です。よろしくお願いします。前回ブログを書いたのは、4月も半ばが過ぎた頃で、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が、…

ききわける・なっている⑦

ここ何ヶ月かの間で、「からだ」との付き合い方がまた変わってきている。それは自分ごとだけじゃなくて、周りの人達も含めた生活空間のできごととして感じている。きもちの部分も「からだ」に委ねることで変わることを感じてきた。初日に、今の状況下で「僕…

やってみる・ききわける⑥

今、近所の公園や広場はガラガラだ。こんなときは、誰かとのつながりよりも、自分のからだとか、遊び場という空間とつながってみるのもいい。誰もいないときを見計らって、子供と一緒に出掛けてみる。草っぱらの斜面をかけたり、濡れて滑りやすくなった苔の…

やってみる・ききわける⑤

ここ久慈も桜が咲き出して、朝晩はまだまだ寒いけれど、外に出たくなるような陽気になってきた。ひとり、淡々と歩く分には大丈夫だろうと、最近は職場まで歩いている。15分程度の道のりをいろいろ感じながら愉しんでいる。昨日も書いたけれど、今までとは違…

やってみる・ききわける④

最近基本に立ち還るということに興味がある。そうやって、実際に「立つ」ということを感じてみると、重くなったり、軽くなったり、ふわふわしたり、踏ん張ったり、いろいろな変化が感じられておもしろい。すぐに動かないことを「腰が重い」とか言うけれど、…

やってくる・ききわける③

昨日、電磁気力の話を少し持ってきたから、あとちょっとだけ。磁石のN極とS極は引きつけ合う。これは引力だ。そして、N極とN極、S極とS極は反発し合う。これは斥力だ。くっつくか、離れるか。二者択一。ソーシャルディスタンスという言葉がある。今はウィル…

やってくる・ききわける②

目に見えないから不安になる。それはすごくわかる。身近なところでも、「何を信じていいのか分からないねえ」という言葉をよく耳にするようになった。確かにここのところのニュースからはそんなふうに感じる。電磁気力という力がある。小学生の頃、理科の授…

やってくる・ききわける①

香さん一週間ありがとうございます。今週担当の瀧澤です。テーマは引き続き「飛ばす」です。よろしくお願いします。今、世間は新型コロナウィルス一色だ。僕が住んでいる岩手県久慈市では、まだ、コロナウィルスの感染は確認されていないけれど、僕を取り巻…

その都度

一日目のその後「日日是好日」の映画を観た後、原作も読んでみたいと思っていたら思いがけず本がやってきた。一月に上京した際、畠山先生がこの本を手渡してくださった。同じタイミングで映画を観ていたらしい。偶然が重なることはあるけれど、さすがにこれ…

つりあう

操体をとおして「ととのう」のイメージが変わってきた。以前は「かためる」で、今は「つりあう」。「ゴール」と「プロセス」の違いのような感じかもしれない。たまに抜けてしまうこともあるけれど、「からだに感覚をききわける」ことに出会えたことは大きい…

「感覚」が抜けると

先日、クライアントに立ち方の作法を指導していた時、どうも立ち姿が力んでいるように見えた。原因は、何度も来られている方だったので「拇趾球で立てているだろう」と勝手に思い込んでしまったことにある。実際は「親趾のつけ根」で立っていた。たった数セ…

操ってもらう

「からだ」が自然にととのう。「からだ」を意図的にととのえる。前者は「からだ」が主語で、後者は「私」が主語になる。両者をつなげてくれるのが、操体で大切にしている「感覚」だ。「からだの使い方」に関しても、「からだ」の邪魔をしないように意識しな…

気遣いとして

自然に「ととのう」と意図的に「ととのえる」。「からだ」に関してはどっちだろう。自然とそうなるようにととのうのが一番いいような気もする。ただ、そうはいかないこともあるから意識も必要になってくる。操体はそのバランスを大切にしている。操体には「…

ジグソーパズル

子供の頃、ジグソーパズルが好きだった。同じパズルを何度も繰り返していると、そのうち完成図はいらなくなってくるし、色んな手順を試したくなってくる。ここからが面白かった。枠から作っていっても、図柄で合わせていっても、やっているうちに覚えたピー…

外から見ているようで

香さん一週間ありがとうございます。今週担当の瀧澤です。テーマは引き続き「ととのう」です。よろしくお願いします。お正月に「日日是好日」を借りて観た。以前このブログで半蔵実行委員が原作を紹介してくださったこともある。映画化されてからずっと観よ…

それぞれの想いと「からだ」⑦

「操体的な『かんばるな』とは」。僕のブログには明確な答えは書かれていません。でも、こんな感じなんじゃないかなと、僕自身そう感じていることは書いたつもりです。一年後、五年後、十年後で、また違った受け取り方をしていると思います。操体そのものが…

それぞれの想いと「からだ」⑥

「操体的な『がんばるな』」という言葉に出会ったのは、8年前の個人レッスンの時と書きましたが、でも、その前に「からだ」をとおして出会っていたんです。初めて、師匠の臨床を受けた時、「がんばらない」からこそ成立する世界があることを知りました(「感…

それぞれの想いと「からだ」⑤

できなかったことができるようになった時って、やっぱり嬉しい。あきらめないでよかったな、と素直に思います。操体の勉強もそうでした。実際の臨床で、初めて第二分析をとおせた時、初めて足趾の操法®をとおせた時、初めて渦状波®をとおせた時、これが「か…

それぞれの想いと「からだ」④

小学生の頃、割と足は速い方で、4年生までは、毎年のマラソン大会で上位に入っていました。1年生の時と3年生の時は2位になったこともあります。心臓がバクバクしても、呼吸が苦しくなっても、横っ腹が痛くなっても、足がパンパンでも、なんとか1位になりたい…

それぞれの想いと「からだ」③

僕自身、割と「がんばる」ということを肯定的にとらえて生きてきたと思います。自分のスタンスとしてもそうですし、他人に押し付けるところもありました。「オマエがそこまでやるなら、オレも負けられない」とか、「オレもがんばってんだから、オマエもがん…

それぞれの想いと「からだ」②

師匠が「カラスは白い」と言えば白なんだ、と飲み込みながらスタートした操体の勉強です。「師弟関係」の中で学びたかった僕にとって、これはさほど苦しいことでも、辛いことでもありませんでした。その時の自分が理解できないことでも、「そういうものなん…

それぞれの想いと「からだ」①

香実行委員一週間ありがとうございます。 今週担当の瀧澤です。テーマは引き続き「操体的な『がんばるな』とは」です。よろしくお願いします。「操体的な『がんばるな』」という言葉に出会ったのは8年ほど前です。それは、師匠との個人レッスンの初日でした…

操体が教えてくれること⑦

「操体法」を受けることは、「からだにききわける」学習でもあります。これはそのまま普段の生活にスライドさせることもできます。僕自身も普段から「からだにききわける」ことで、からだの不調が随分と減りました。「操体」は「治す」という仕事から解放し…

操体が教えてくれること⑥

「操体法」では、からだを動かすのはあなた自身です。からだを動かしながら、その動きがからだにとってきもちがいいのか、そうではないのかを「からだにききわける」のもあなた自身です。からだにききわけた結果、ききわけられたきもちよさを味わうのもあな…

操体が教えてくれること⑤

「からだにききわける」のはあなた自身です。誰か他の人に代わってもらうことはできません。ただ、いきなり「からだにききわけて」と言われても、どうしていいのか分かりませんし、まして、「きもちよさを味わってみて」と言われても、困ってしまいます。そ…

操体が教えてくれること④

「操体」を勉強するまでは、「からだにききわける」という発想はありませんでした。鍼灸マッサージ師として「治すこと」を仕事にしていた頃は、不調が改善するのは「治す側の技術」だと思っていました。それも一つの方法ですが、「からだにききわける」こと…

操体が教えてくれること③

きもちよさでからだは変化しますが、きもちよければなんでもいい、というわけではありません。「操体」で言っている「きもちよさ」は、「からだにとって」のきもちよさです。からだにとってきもちがいいのか、そうではないのか。それを判断するのは、自分の…