東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

新宿に住んでいる住人の60%が一人暮らしの住人だという

新宿に住んでいる住人の60%が一人暮らしの住人だという。それが30代の若者にも蔓延しているのだそうだ。定職もなく、結婚できる、したいという希望もなく、このまま生涯一人ぼっちで生きて行くことを余儀なくされている。自分がない人生を続けて行く・・・。そうした人生しか見えてこない人達が命が尽きるまで耐えられるのか。貯えがないことも、身にしみることだが、心のよりどころがない、家族がない、友人もいない、話せる人がいない、これほど不安な自分はないという。本当にその人達は孤立、孤独を余儀なくされている。極度に人生の孤独を、さびしさを背おい、生きているのだ。ある小老は、故郷で死を迎えたいと言った。しかし現実に帰れるアテは全くないのだ。この小老は、毎日その孤独にたえきれづ、新宿の街をひたすらあてもなく、ただ歩き続けて、孤独と戦っているのだという。そうでもしないと、自分を忘れ、人生を忘れてしまうのだという。生きているのに生きていけない、生きているのに自分が消えていく。心が消えていく。心が痛まないか。同じ人間として、そんな人達より少しでも余力のある人よ。この人達と会話しないか。言葉をかけ、なにか、できることをしてあげられないか。人の生き方にはこれほどの温度差があるのか。報いの報酬にはこれほどまでの落差があるのか。第三者が介入できないほどのものなのか。神の手が、力が及ばぬところのものなのか。いや、人ごとの無神経さ、オレには関係ないことだという。他人事のこころ。自己責任にしても、皆が幸せじゃないと息苦しいのだ。無関心ではいられない。この現実に目をそらすな。目をそらすな。自分がもしそうだったらと、少しは感じて生きること。


三浦寛