東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「間に合っていればよい」について

近頃、本屋や図書館にいるとよく「断捨離」という言葉を目にします。
恐らく、去年末頃から注目されていたみたいですが最近あまりにも目にするので色々調べてみたのですが、自分の想像と全く意味が違っていたのでビックリしました(笑)やはり何事も思い込みはいけませんね!

この「断捨離」とはクラターコンサルタント「やましたひでこ」が提唱する部屋の整理整頓と共に生活に調和をもたらそうとする生活術の事で
〈断〉入ってくるものを断つ
〈捨〉不要な物を捨てる
〈断〉執着心から離れる
以上のことから「断捨離」と名付けているそうです。
つまり、人の物への執着から産まれるのは「苦しみ」であり、それから「開放」されるのは「喜び」だと人は認識し始めているでしょうね。私もなかなか物を捨てる事が出来ない人間なので試しに身の回りの物を必要な物以外捨ててみたのですが思っていた以上にすっきりした気持ちになれたのです。
こうしていくうちに私は「断捨離」の意味が橋本敬三先生が言われていた「間にあっていればよい」という言葉と重なりました。この二つの言葉の言い回しは違いますが共通して欲張るなという意味があり、欲が執着心を産み、執着が心の苦しみを生むと言っているのだと思います。執着についてブッダも次のように言っています。
「人々の憂い、悲しみ、苦しみ、もだえは、どうして起こるのか。つまりそれは、人に執着があるからです。
富みに執着し、悦楽に執着し、自分自身に執着する。この執着から苦しみ悩みが生まれる」 華厳経226ページ (『ブッダのことば』より著書大森義成)
この言葉からも執着することが如何に欲を生み、人を縛りつけるかがわかります。三浦先生は講義で「あの世に持っていけない物に執着するな」と言われていました。この言葉からも執着することがいかに心のゆとりを無くしているかが理解できます。
「断捨離」が流行っている事からも分かるようにこれからの時代は心の時代になっているのかもしれません。東日本大震災以降人々が心の病に苦しんでいるのもそういう時代背景が少なからず影響しているのでしょう。時代は今よりもっとブッダや橋本敬三生の哲学を必要とすると思うので私自身もより今の学びに誇りと信念を持って取り組んでいきたいです。

本日が最終日となりましたが一週間を通じ色々書かせて頂いた中で私自身強く感じたのが偉大な先人達が残してくれた言葉をもっと大切にしていかなければいけないという事です。「想念」が重要視される時代になってきた今だからこそ、生涯学びの道に身を捧げた人達の言葉を心に刻まなければいけないのだと思います。
明日からは私の尊敬する先輩の一人である山野さんの登場です!楽しみにしています!
ありがとうございました!