東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

うめぼしおばさん

以前、腰椎スベリ症のおばさんの症例を何かに書いた
のですが、何に書いたのか忘れてしまいました〜。
それは、ま、いいかぁ。
そのおばさんが昨日二年ぶりに来室しました。


その後、調子よく過ごしていたらしいのですが、
三日前から腰が痛くなり、ご主人に車で一時間もかけて
連れてきてもらったのでした。


「こんにちはー、ご無沙汰していましたー」
おばさんが少し腰をかばうようにしてヨタヨタと治療室に
入ってきました。

「まーた畑かなんかで無理でもしたんでしょう」
私はおばさんの手を見て、爪が土で汚れていたのでそう
いったのでした。


「んだでばー、んめぼす(うめぼし)漬けんので、がんばった
のっしゃー」とにっこりおばさん。


カルテを見ると、二年前は三軸操体の前後バランスを整えた
と書いてありました。
この時は後屈が不快でした。
腰かけて前屈からねじって倒す三軸操体をやっただけで
良くなってしまったと書いてありました。


「前にやったのをためしてみましたか?」


「少しやってはみだんだげっとも、なんだがねー」と首を
かしげて微笑むおばさん。


「なんだがねーでしたかー」と私。


「ちょっとベットに腰掛けてみてー」


「この辺が少し凝っているねー」私は背中の方で肩から背中
、腰とさするように調べて、右肩のコリを押していいました。


「この姿勢でちょっとおじぎをするように前にまがってみてー、
今度は背筋を伸ばすようにー」と私は前後の動きを調べてみ
ました。


「前に曲がっと腰が苦しいなゃー、そらすのは大丈夫でがすぅ」
おばさんはナマッテいいました。


「はい、今度はこっちの肩を下げてみてー、次はこっちー」
私は左右屈のバランスを調べます。


「こっちがらぐ(楽)だねぇ」
おばさんは左肩を下げていいました。


私はこの二つの楽(後屈と左屈)を覚えておきました。
これが後でとても役に立ちます。


次に仰向けで膝を左右に倒してみてもらいました。
おばさんは「右に倒すど腰が苦しぐなるねー」といい、
「左に倒すのは楽だねぇ」といいました。


これで左ねじりが楽だということがわかりました。
軸で観て、さっきの楽だった動きをぴっぴっと合成すれば
気持ちよくなることがわかります。


三軸操体を知っている人は簡単に理解できると思いますが、
知らない人は「なんのこっちゃ」と思うかも知れません。


左にねじった楽な位置から、後屈して少し左屈すると
心地よくなることが動く前からわかってしまうのです。


(かといって、左屈してから後屈してはいけません)


やってみたら、やっぱり当たりでした。
気持ちがイイですぅ。とおばさん。


この三軸操体のねじりバランスの動きを二回すると、
膝を右にたおしても苦しさがぜんぜんなくなりました。


これで起きていろいろ動かしてもらったら、
「なおったねー!」とおばさん。


そして、おばさんはなぜか帰り仕度を始めたのです。


おいおい、もう帰るのかよー、まだ五分位しかここに
いないぞー。と思ったのですが、おばさんは帰る気満々です。


なので私は今日やったことを急いでメモして、
「家でまた痛くなったら、これを見てやってみるといいです」
と手渡しました。


おばさんはメモをバックに入れて、ご主人と仲良く帰って
行きました。


あ、うめぼしをたのむの忘れた。

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一週間のお付き合い、ありがとうございました。
三軸操体については、ホームページ「そうたい操体
か「今治療室」にリンクされています。
また、医道の日本2008年1、3、5、7、9月号を
参考にされるといいと思います。


さて、来週は待ちに待った佐伯さんの番でがすぅ。
みなさんお楽しみに〜。


今 昭宏



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