東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

四日目 武術の秘伝・操体の秘伝。

最近気になるのは
「○○させていただきます」という言葉の濫用。
私は以前から「○○させてもらいます」とか「してもらえますか」という言い方は
「何だか失礼」だと思っていたのである。

もちろん関西と関東の違いもある。
関西の商人が「はい、勉強させていただきますぅ」と言えば
「お値段もう少し考えます(値引きします)」というのはわかる。

関東人のアタマで言えば「させていただきます」というのは
何だかヘンなのだ。

多分丁寧に、と思って本人は使っているのだろうが。

と、調べてみると「させていただきます」というのは「上から目線」の
言葉で、目上や自分の顧客に使うには失礼であるということが分かった。

★まあ、結構使われているので、「使いすぎに注意」というところか。

学ばさせていただだきます→ 「さ」が多い「さ入り表現」+させていただきます
「さ」は入れない。
学ばせていただきます→「学びます」
お話させていただきます→お話いたします
退職させていただきます→退職いたします
(退職するにあたって、上司がイヤなヤツだったら、イヤミで
使ってもいいかもしれない)

★ちなみに
「学ばさせてもらいます」というのは「さ」は入ってるし、
上から目線だし、「もらいます」というのも上から目線だそうで。

いい言い回しとしては「勉強します」「勉強いたします:「精進します」「精進いたします」でしょうか・・

日本語って奥深い。

当フォーラムの相談役、平直行氏のブログに、面白いことが書いてあった。

入門してきちんと学ぶ事でしか、武術は手に入れる事が出来ないからです。
現代の武術は昔ほど、鍛練する必要はないと思います。

それでも、セミナーだけに来たり来なかったりでは覚える事は無理です。
鍛練を勘違いすると身体が壊れるシステムが武術です。

途中で辞めて勝手に自分で始めると、身体を壊すような仕組みを
武術では巧妙に創りあげています。

先人の偉大な知恵の結晶が武術なのです。

そこには勝手をする門人に対しての工夫ももちろんありました。
武術を存続する為に、そこに工夫の多くが費やされました。

なるほど。いつの時代にも勝手をする輩はいるのだ(笑)。

ところで、操体の世界にもそういう輩は存在する。
「守」「破」「離」の「守」もまともに終えていないのに、
「自分らしいことをやりたい」「自分の操体」とか言って、
いきなり「破」とか「離」に行きたがる。あるいは、自己流に
アレンジしたがるとか。

途中で辞めて、勝手に自分で始めると、操体
「理論に齟齬(そご)がおこる」
「臨床効果が上がらない」
「からだをこわす」
ということになる。

武術よりはやわやわとしているが、
「臨床効果があがらなくなってくる」というのは事実である。
そうすると、他の手技に手を出したりすることになる。

また「足趾の操法」が顕著だと思う。
見ると意外と簡単そうに見える。ところが、手首の使い方はじめ、コツを知らないと
肩や手首を壊す。「ちゃんと教えるから、教えるまで見よう見まねでやらないこと」と、
言っても聞かずにやって、手首や肩をこわしたヒトは一人二人ではない。

結局はあれこれ手を出すよりも、一つのことをじっくりやれよということ
なのだろう。


7月15日(月)海の日千駄ヶ谷津田ホールにて「操体マンダラ 2013」(仮)を
開催致します。三浦寛による操体イリュージョンの世界をお楽しみ下さい。
お問い合わせは[http://www.teizan.com:title=TEI-ZAN操体医科学研究所