東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

女性のからだ1

こんばんは、皆さん今日はどんな一日でしたか?ブログ3日目、今日も富士山の麓、富士宮から小代田がお届けします。
男女の営みにおいて女性そして男性の性が語られることは多くあるけれど、男性の皆さんは女性のからだ(構造や機能)についてご存じだろうか。「そんなの知らないから良いのではないか、なんて無粋なことを…」なんて男性陣の声も聞こえてきそうだけれど、これって大切なことではないかと思う。「知っているよ、女性は男性と違って子供を産むんでしょう?」。そう、女性は男性と違って子供を宿せるけれど、そこには男性陣が思っている以上に複雑なからだの機能がある。それは子供を生んでいる人も私のように子供を持っていない人も同じ。女性には女性だけの生の営みがある。女性のからだには実にたくさんの驚くべき営みや仕組みがあるのだけれど、今日はその一つをお話させて頂けたらと思う。
女性はお母さんのお腹の中にいる時から、そのからだに卵子の大もととなる原始卵胞というものを持っている、まだ胎児なのに。そして命のもとである多くの卵子をそのからだに持って生まれてきます。そして生まれた時にもうその卵子が使える年齢が大まかに決まっています。それはその卵子には数の限りと使える期限があるからです。女性は寿命という命の時間とは別にからだの中でもう一つの命の時を持って生まれてきます。
思春期に入ると、女性は大人なるためのからだの成長とは別に、からだの中では子供を宿すことができるからだへの準備が始まります。そしてからだの準備が出来てくるころ、女性は初潮を迎えます。きっとこの頃、女の子は好きだった男の子を心だけでなくからだで感じるようになるのではないでしょうか。
そして成人した女性は、妊娠適齢期というものに入ります。からだも十分に出来あがり、からだと心が安心して妊娠できる時期に入るのです。
妊娠適齢期と書きましたが、女性は月経がある間は妊娠できると思っている方が多いのではないかと思います。けれど月経があるからいつもでも子供が出来るという訳ではありません。卵子にも命の期限があるのです。そう、これが女性が持つもう一つの命の期限なんです。不思議なことなのですが、こんなに平均寿命が延びた今も、このからだの時間は太古の昔から変わってないそうです。
そして子を宿すことができる年齢を過ぎると、女性は新たなからだと共に人生を歩みだします。なかには女性ホルモンという大きな盾を失い、からだの調子を崩したり病気が出てきたりする人もいます。しかしそれを過ぎると正に生まれ変わったと言って良いほど、お元気になられる方も多くいます。それはまるで生まれた時に否応なしに与えられた一つ役目を終えたように、はたまた長い間来ていた思い鎧をぬいだように。きっと女性のセックスにおける性もここからまた形を変えていくのでしょう。
人と言う同じ人間であるのに、女性は無期限に命のもとを生みだす男性とは違う限られた一つの時間を持っています。そして望もうと望まないと、女性のからだはこの命の営みに合わせて体の機能が組まれています。それは壮大過ぎて一日では書ききれないので今日はこの辺りで終わりにしようと思うのだけど、男性にも寿命とは違う、もう一つの命の時間が女性にはあるということを知っていて頂けたらと思う。
こうして女性のからだについて偉そうに書いている私だけれど、私も恥ずかしならが女性である自分のからだについて知らなかった一人である(そして知らない間に妊娠適齢期の期限が近付きつつある…)。
だけど昔の人はこんなからだの仕組みや移り変わりを知らなくても自然にその道を通っていたんだと思う。きっと私のように本で読まなくても知っていたんだろう。自分のからだを、そして命の季節の移り変わりを。
操体は自分のからだを知る大きなてだてにもなる。自分のからだを感じて欲しい、自分が持つ性の営みは自分でしか分からないのだから。操体は年齢も性別も問わない。大人だけでなく、未来の子供達に自分のからだと向き合うてだてを教えてあげて欲しい。てだてだけで良い、後はからだが教えてくれるから。そして自分のからだを知るように、相手のからだを知って欲しい。形あるからだはまた一つの真理だから。太古から変わらぬ女性のもう一つの命の時間を知り、理解し、寄り添い、迷っている時は導いてあげて欲しい。愛する人、愛する子供、そして愛する友人を。
さて、今日はそろそろ失礼しようと思います。今日も一日お疲れ様でした。
明日も元気に新しい命が生まれてきますように、そして未来を担う子供たちが元気でありますように。


小代田綾