おはようございます。
サントリーの創業者、鳥井信治郎氏の経営哲学のなかに、「三方良し」というのがあります。
これは、もともと近江商人の商いのモットーからきているようで、信治郎氏の生家のまわりも近江出身の商家が多く、丁稚奉公先の主人も彦根出身だったことから、幼少期から身をもって近江商人の商いの精神を学んでいたと推測されます。
三方良しの三方とは、売り手、買い手、世間の三方であり、売り手買い手双方だけでなく、商いも世間あっての業であり、世間も大事。世間が困窮して経済が成り立たない状態ではどうにもならないし、世間とのつながりが絶たれた状態でも困る。
三方良しとは、売り手の儲けばかりを優先せず、買い手にも満足してもらい、そこで生じた利益を自分達だけでなく、広く世間の為にも役立て、偕に発展していこうという精神なのだと思います。
そこからは、生かされて有難く生きている、という心の持ち方も垣間見えます。
この三方良しの精神を生命現象に当てはめてみるとどうでしょうか。
自分、からだ、環境の三方という考え方ができます。しかし、人間の場合、暮らしの利便性を追い求めた結果、からだの為にならない環境をつくりだしてきた面もあります。
ですから、生命現象の根幹に目を向け、自分、からだ、空間の三方の調和を、まず考えてみる。
この場合、からだと空間はイノチとしてヒビキ合い、存在を存在たらしめているわけですから、そこに自分を合わせていく。鍵を握るのが重力と重心。
そして、自分、からだ、空間の三方の調和が密になるほど、自然環境、人為、社会環境への適応力が増し、より良く生きていく事につながると思います。
一週間、有難うございました。
明日からは畠山裕美先生の担当となります。
来週も、どうぞ宜しくお願い致します。
友松 誠。