東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「よくわかる操体と操体法」4

「よく分かる操体」というタイトルながら、「よくわかる」ように書けているかどうか、少しばかり心配になってきましたが(笑)、引き続きご紹介します。
 
たまに、
 
操体って最初につま先上げやって、次に膝倒しやって、次にカエル足(我々はカエル足とは言いません。伏臥位膝関節の腋窩挙上とかです)やるって順番決まってるんですよね」と言われることがあります。
 
ちなみに、橋本敬三先生は「万病を治せる妙療法」でも、「操体B」とか「操体C」というような名称を使っています。
「つま先上げ」と「膝倒し」「カエル足」というのは、一種のスラングだと思って下さい。日常的に使うのは構いませんが、シンポジウムとか公の場で使う言い方ではありません。
 
我々は、「足趾の背屈」とか「膝の傾倒」「伏臥位膝関節腋窩挙上」というように言ってます(プロだからね)。
 
順番をつけてパターン化すること、よくアメリカの手技療法家がやります。
頭蓋仙骨療法でも、テン・ステップ・プロトコルのように、10段階でできるように、危険なく簡素化された(つまり、最大限に希釈された)ものがあります。
 
パターン化すると、教えるほうは簡単ですが、応用力に欠けることになります。
 
臨床は、常に想定外です。パターン化された被験者なんてまずいません。
 
操体の勉強に時間がかかるのは、そのためです。「見立て(診立て)」を学ぶにはある程度の時間は必要です。
 
つまり、もともと「肩こりにはこの操法」とか「腰痛にはこの操法」というのが、操体にはありません。
 
というのは、ボディの歪み(や軸)を正すことによって、二次的に症状疾患を解消する、というのが操体だから。
 
なので、操体は「想定外」には強いのではないかと思います。
 
 

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