東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

操体における 「頑張るな」 とは ⑦「体験」

 昨日まで、さんざん頑張るな! 頑張るな! と述べてきたわけであるが、我々にとって本当にそのことが理解できるのだろうか。 それはおそらく無理であろう。 では、頑張ることなくそういった知性だけで行動変換が出来得るのだろうか。 いや、それも難しいと言わざるを得ない。

 

 なぜなら、人間というのは知性だけで解決できるような機能を持っていないからである。 真に理解するには必ず体験を伴うからだ。 要するにいったん頑張るという体験の上ではじめてその意味が解り、頑張ることをやめることができるのである。 現実にはこのような矛盾が起こってくる。

 

 結局のところ、頭で解かっていてもからだは知性を理解していないので、とにかく頑張ってやってみようということになる。 そして頑張った虚しさを経験則としてからだは飛躍することができるのだ。 「頑張るな」 という知性は皆のもの、即ち共有物であるが、自分の体験は個人独自のからだのものであり、すべてはそれから始めることができる。 そのうえで 「頑張るな」 という頭の知性を生かすことができ、それこそが最良の方法だと私は考えている。

 

 

 

明日からは、香実行委員にバトンが渡ります。 どうぞお愉しみに!