東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

『願わくば気持ち良く生きて行きたいですね』

これは本当にそう思いますよ。私自身も痛いの嫌だし、病気になるのは怖いし、家族や友人、私の周りにいてくれる大切な仲間達が辛い想いをしている姿なんて見てられませんよ。そう考えてみると私が操体を学んでいる理由って実はこれなのかもしれません。橋本先生は操体を通じて痛みを取る為の治療テクニックを教えたのでは無くて、気持ちよく生きる為のヒントをたくさん残してくれているのです。

操体法が一躍世間の注目を集めるきっかけになったのは昭和56年にNHKラジオで放送された人生読本「人間の設計」なのですが、三日間にわたる放送の最後の方で橋本先生は「アダムとイブが知恵の木の実を食べて天国から追い出されたでしょう。だから知恵が発達して勘が鈍ってきた。野生の動物には獣医はいない。みんな勘で行ってるんですよね。人間だけは知恵があるから、今度は勘を意識しなさいっていうの。だから基本は気持ちいいことをね、勘を鋭くしなくちゃ。気持ちがいいってことになれば自然と安心するしね、愉快になるし、結局最後には有難いって思わなきゃ。」と書かれていますが、本当に私達は知恵が発達しすぎて何をやるにもまず頭で考えてからじゃないと行動に移せなくなっているきがします。

私達に多くの知識を与えてくれるはずのテレビやラジオやインターネットも、あまりにも情報量が多すぎて紹介されている健康法を全部試していたらからだがいくつあってもたりません。やっぱり行き着くところは、自分自身の勘だよりということなのでしょう。要らないものをどんどん削ってシンプルにして行った先が気持ち良さに委ねるというライフスタイルなのかもしれません。

ところで勘を磨くっていっても、一体何から始めればよいのでしょうか。山にこもって滝にでも打たれながら念仏でも唱えなければいけないのでしょうか。

いやまさか橋本先生がそんな無理難題を押し付ける訳がありません。威張らず、縛らず、欲張らず。自分のからだの声を無視せずに良くからだにききわけながら『呼吸』『食事』『運動』『想念』という4つの最小限責任生活とこれにその人を取り巻く『環境』を含めた5つバランスを取っていけば、きっと鈍くなっていた野生の勘ってやつも取り戻せるに互いありません。


どうせ俺等にはお医者さんなんかいないもんね〜

操体法/橋本敬三の世界[DVD]

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2011年秋季東京操体フォーラムは11月6日(日)、東京千駄ヶ谷津田ホールにて開催予定です。