「痛み」という現象にはネガティヴな印象が付きまとっている。
からだが痛んで、不快が続くのだから仕方はない。
一方で、「痛み」を感じていることは、からだからのメッセージを受信している確たる証拠でもある。
先天性由来の例外を除く、ほぼすべての人間がこの「痛み」を介してのからだとのコミュニケーションを体験したことがあるはずだ。
この「痛み」という現象を通じて、からだは何を表現しているのか。
頭で創りあげるネガティヴな印象の前の、生命現象としての「いたみ」。
「いたみ」にことばを与える。
からだのことばを受け取って、一方通行でないコミュニケーションが始まる糸口がみえてくる。