東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

岡村郁生(おかむらいくお)

終業しない修行⑦

昔、自分の存在を考え直す良き機会となったことがあった。 それは、私の人生がこれからも充実する事を願うのであれば、 名前を変えた方が良い、つまり改名を勧めると言う話だった。 確かに、歴史の証明していることには一理ある。 様々な統計的な事実で、間…

終業しない修行⑥

そもそも、馬に乗らなければ落馬しない。 馬に乗らなければ遠くに行くことはできない。 低いものを飛び越えるのも、高い場所に登るにも、ふやけた 生き方をしているのでは、失望も絶望もないけれど、極楽へ 繋がるかもしれない、静かな歓喜なる悦びも、味わ…

終業しない修業⑤

昔、月刊誌に文章を書く機会を得て、原稿は非常に時間がかかり、 当時とても骨が折れたことがあった。その原稿は掲載されても、金銭の報酬を得ることはなかった。 また何かの講演を頼まれ、その報酬を受けないこともあったり、 その時は損した気分になったも…

終業しない修行④

(つづき) またある時。 その有名な画家はある機会に、若い画家にも伝えた。 若い画家は自信を失っていた。 「私は力がなく才能に欠けていると思う」と愚痴を言った。 有名な画家は断固として伝えた。「力が足りないのではない、真剣さが足りんのだ! 懸命…

終業しない修業③

昔、操体の講習会が終わった後。三浦理事長と食事を一緒にしているとき。仕事の後に家事を手伝っていることが苦痛である、と愚痴をこぼしたことがあった。その時こう言われた。さっきからずっと、岡村は愚痴こぼしているけれども気がついているか、と。愚痴…

終業しない修業②

(つづき) 「終業」は、ある分野の学問や技術を学ぶ課程を終わらせた 場合に使われるけれど、学びの深さに個人差はある。 そもそも「修業」の過程にこそ、人間に生まれた理由の一つ だと、このように考えてみると面白い。 自分や他人のためになるからやって…

終業しない修業①

今週の担当は岡村です。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 今回のテーマは「しゅぎょう」。 「学校」の「卒業」はわかる。 「課程」の「修了」もわかる。 では、操体の修業にも終業はあるのだろうか。 思い返せば、平成11年の操師養成講座。 三軒茶屋での…

共に進化している生物⑦

宇宙と呼ばれる銀河系太陽系のなか、地球は存在しています。 海と大地と空、その循環に様々なイノチの源である水が満ち、 大気中にある酸素を取り込んで、植物も動物も繁栄してきて、 いつも、いつまでも、重力のもと生物として生存しています。 この世界で…

共に進化している生物⑥

トマトが小さい頃は嫌いで、今では大好物の野菜になりました。 このトマト、南アメリカのアンデス山脈の高地が原産地なのだそうで、 現在は日本やヨーロッパでトマトを多くの人々が愛しています。 ですから「赤くなればお医者さんが青くなる」とは、日本であ…

共に進化している生物⑤

昔から、お祭りや神社での金魚掬いが大好きでした。 金魚をとってくると、簡単なツボのようなものに入れ、餌をあげるの ですが、何故かそのうち「植物」を一緒に入れてあげたくなります。 そこで、よく買っていたのが布袋葵(ホテイアオイ)です。 この花は…

共に進化している生物④

昔、植物辞典で「ラフレシア」と言う名前の、東南アジアのスマトラ 島を原産地とする、世界一大きな花を咲かせる植物を見て、驚いたこ とがあります。 このラフレシアをもとに、あの「仮面ライダー」の怪人も登場したの で、余計にインパクトが強かったのか…

共に進化している生物③

見えないからこそ、見える部分にイメージすることは大切。 定年後、畑仕事を趣味にしている人と話をしていてこんな話を伺った。 「大根を収穫するときには、しっかりと腰をかがめて、引き抜く動作 をするのにコツがあって、知らないで収穫するのは大変だよ」…

共に進化している生物②

昨日のブログに、緑色をしている葉っぱの真実を書いたので、今回は そのことについてもう少し、噛み砕いて書いてみたい。 あの太陽の光を、可視光エネルギーとして「波長」で分類してみる。 それは、植物が行っている光合成の素でもあり、日中に酸素を供給す…

共に進化している生物①

石田さんから引き継ぎました岡村郁生です。 今回のテーマは「植物」、操体を学び続け想いのままに繋げて参りま すので、一週間よろしくお願いいたします。 まず初めに。 操体を学ぶなか「食」において、身近な植物を知らず、感動したこと。 それは「葉っぱの…

あーと、思うこと⑦

この世の出来事を、良い悪いで捉えないようにする秘訣。 それはバランス現象で捉えることではないだろうか。 ワタシ自身はそう意識すると、それだけで愉しく生きられる。 からだの要求感覚を、ただ、ただ、受け取るだけにしてみる。 それに適うように、最小…

あーと、思うこと⑥

湘南に住んでから波乗りを始めた。 サーファーという、趣味と生き方が一致しているような人もいる。 そういった人のことを「スタイルがある」という。 サーフィンを始めてから、スタイルのある人とは何か、なんとなく その言葉の意味に隠され、滲み示されて…

あーと、思うこと⑤

レザーが大好きだ。 艶と手触り、その風合い変化もたまらなく愛おしく感じる。 なので、アクセサリーと衣服もそれを基準に身に着けるようになる。 身に纏うものは、からだの動きに馴染むかどうか、でアクセサリーや 衣服を選ぶことが多くなってきた。 デザイ…

あーと、思うこと④

いまでもオートバイが好きだ。 斎藤純氏の小説から、氏の描いたカタログに惚れて古いKawasaki の並列二気筒のバーチカルツインに乗って20年経過した。 オートバイと移り変わるもの。 人馬一体と言う概念があって、それをオートバイという名の二輪 で不安定な…

あーと、思うこと③

昔、この仕事に就く前はハウスメーカーで設計の仕事をしていた。 たとえば建築物でも、有名な建築家の建造物は有名になっているので 実際にその場所へ行けば、眺めることもできるし、場合によっては中 に入ってみることさえできる。 そうではなく、取り立て…

あーと、思うこと②

立ち居振る舞い。 歩いている時、自転車で移動している時、電車に乗っている時、車で 止まっていた時、一瞬にして目を奪われることがある。 何かがそこにあるだけで、フォーカスは瞬時に決まってしまう。 私自身なのか、からだが欲していたもの、なのか。 た…

あーと、思うこと①

足の裏から映るもの 石田さん、紹介いただき有難うございました。 今週担当する岡村です、よろしくどうぞ。 今回の「アート」というテーマに沿っているか疑問ですけれども、 私的感覚で書き連ねて参りますのでよろしくお願いします。 それは26年前に勤めて…

左様に感謝⑦

(つづき) 歩くとき。 左足の足を1歩目にすることがなんとなくしっくりくる。 なんとなく歩き始めの時に倒れ込む感じを味わう。 そして、自然に臍下丹田へ「重力」に合わせて踏みつけることを感覚し、 その踏みつけた感覚に伴って、次の右足を持っていくよ…

左様に感謝⑥

(つづき) 物事の捉え方として、「要素還元主義」があります。 これは、対象となるものの「時間と空間」を切り刻み、すべてを一瞬 の出来事として分析するのが特徴なんですね。 しかし、この要素還元主義では捉えられないこともあるのです。 例えの1つに、…

左様に感謝⑤

(続き) 昔、マラソン選手でフランク・ショーターという、アメリカの選手が 活躍していました。 この選手はトップクラスの選手だったので、よく来日して走っていて、 過去の琵琶湖のマラソン大会でも優勝しているのです。 ところが普通の優勝ではなく、なん…

左様に感謝④

(続き) 競技スポーツの世界は「運動」のプロフェッショナルが集まります。 自分の身体の中にあって使える力と、自分の身体の外にあって使える 力を巧みに絡ませると、自分の外にある力が自分を動かしてくれる。 このような言葉で、オリンピックのスピード…

左様に感謝③

(つづき) 本当に嫌がると、子供の場合は九割以上、ひだりに顔を向けると、 ベテラン小児科の先生は語っていました。 また、「足の働きと子供の成長」の著者、近藤四郎氏は(京都大学 霊長類研究所の初代所長を務めた方です)こんな指摘をしています。 近藤…

左様に感謝②

(続き) 自然(しぜん)という読み方は、近代的な読み方です。 過去の日本では、とろろかけ御飯にするあの自然薯(じねんじょ)、 に残っているように、自然(じねん)と呼んでいたそうです。 もともとあるモノを生かす、ということ。 否定ではなく、肯定か…

左様に感謝①

今週のブログを担当する、茅ヶ崎在住の岡村です。 テーマは「ひだり」 で、どうぞよろしくお願いします。 調べてみると日本語の熟語や用法で、「左」には、位の低いものに 相応させる意味で用いることが多いようです。 ですから、「右に倣え」という言葉、位…

「世間にある意識、空間にある意識」

現代風なら、「YouTubeばっかり見てないで、勉強しなさい」 例えば、「TVが昔に比べて面白くなくなった」とか話す方がいたと しても、昔のような社会に今から戻れるのかと思ったら、それはで きませんよね。 現在の便利さを享受する以上、現在の価値…

「視線と視点と視野の先に」

見つけ役と目利き役はある、そしてその先にあるのは何だろう。 目の付け所が違うからさ。 東洋医学系で専門的な勉強を修了し、国家資格を得て安心して 終わりじゃない。 学校を卒業して、ここまで学問というものが面白いと思えたの は初めてだったし、何のた…